2013年6月10日月曜日

生後39日目 子供に障害があったから気付かされたこと

5時半に起きると、妻は起きて朝食とお弁当の準備をしていた。お茶の準備をしながら「夜中は大変だった?」と聞いたら、「ん~、5回くらい起きたかなぁ。でも、可愛いんだなぁ」という答だった。


私が起きてきて15分くらいでフニャフニャ言い始めた。ミルクを与えてオムツを替えたら機嫌が良くなったのでこの記事を書いている。

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昨晩は早めに就寝したので、その後に頂いたコメントを拝見したのは先程だったのだが、こちらもありがたいお言葉だった。

きっとこの疾患を持って生まれてきてくれなかったら、私は何も知らずに生きてきたでしょう。
この子のおかげで、色々気付いたことがあるような気がして、感謝感謝の毎日です。
もちろん、生まれてくる子が健康で何の問題もないことを祈らない親はいない。しかし、障害を持つ赤ちゃんはある割合で生まれてくる。口唇口蓋裂なら、日本では500分の1の確率だ。

障害を持った子が生まれれば、両親は「この子が元気に育つように」と、あらゆる努力を惜しまずに子育てや治療に骨身を削る。傍から見れば「かわいそう、大変ねぇ」ということになるのだろう。だが、コメントにもあるように、障害を持った子供の育児は、育てる親にたくさんのことを与えてくれる。

たとえばこのブログである。口唇口蓋裂のお子さんを出産される方の参考になればと始めたこと自体、息子に何の障害もなければ考えもしなかったことだ。ブログを始めた結果、少しずつ経験者の方からのコメントを頂くようになり、ほんの少しだろうが、これから口唇口蓋裂のお子さんを育てる方の力にもなれているのではないかと感じる。誰かの心の支えになることほど、人生を充実させることが他にあるだろうか。

今日は、障害を持って生まれた息子の育児を通して気づけたことを徒然に記してみようと思う。

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子供の症状や周囲の環境によって程度の差は大きいが、障害を持って生まれた子の育児には、より多くの時間と労力がかかる。それは母親だけ、父親だけでこなすには困難なことだ(シングルマザー、シングルファーザーの方で立派に障害児の育児をされている方はおられる)。 自然と夫婦で話し合い、協力しあうようになる。より密にコミュニケーションをとらなければならないから、子供を通してお互いをさらに理解できるようになっていく。例えば育児における得手不得手。

妻は私よりも息子の変化に敏感だ。ミルクの飲み方、便の状態、体温、湿疹の数や場所・・・。それを時系列でほぼ記憶しているし、少しでも普段と違えば対処するか私に相談してくる。だが、ホッツ床の脱着やテープ貼りに関しては苦手だ。だからこれは私の役目である。

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同じ障害のお子さんを持つ親御さんと面識が持てたことも、私達にとってかけがえのないことだ。医大附属病院や矯正歯科の待合で、話しかけたり話しかけられたりしてきた。今まで全く接点のなかった方と気持ちを共有し、お互いを励まし合う。お互いに「頑張りましょう」と言い合って別れたあとはとても清々しい気持ちになる。

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子供を授かり、育てていくことができるということが、どんなに奇跡的で素晴らしいことなのかということを気づかせてくれたのは息子である。稽留流産から始まる不妊治療の度重なる失敗から、奇跡的な着床・妊娠を経て、口唇口蓋裂はあるものの、元気に誕生してきてくれた。「普通にミルクが飲める」ということがどれ程すごいことで有難いことなのかも教えてくれた。

今までは一人っ子でちょっとワガママだったお姉ちゃん(18歳!)も、受験勉強の合間に授乳やテープ貼りを手伝ってくれるようになったし、妻と母親(私から見て義母)のギクシャク感も少し和らいできたように感じるのだ。

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誕生石と名前を入れたベビーリングを受け取りに行った宝石店で、担当の方が、「何だか、赤ちゃんが生まれたことで、全部がうまく巡ってますよね!」と言ってくれた。本当にそう思う。



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