息子の風邪は、もう少しで治りそうだ。熱は37℃をきるくらい。鼻水と痰は出るものの、本人は寝落ちするまで遊ぶくらいの元気さだ。
昨晩のNHK「クローズアップ現代」は、「新型出生前診断」について。
関東地方に住む43歳の女性が待合の長椅子に独りで座っている。新型出生前診断を受け、その結果を聞くためだ。診察室に呼ばれ、医師から告げられた結果は「陽性」。正確には、「18トリソミーの陽性的中率が42.9%」である。
1年前、マスコミ等で新型出生前診断が取り上げられた時には単純化して「検査の精度は99.9%」と伝えられた。これは誤りではないが、正確ではない。この99.9%は「感度」という指標である。感度とは、「本当に陽性である状態が、陰性であると判定されない確率」で、つまり「検査で陰性だったけど本当は陽性だった(=偽陰性)」という確率は0.1%ということになる。
新型出生前診断では、感度は非常に高いが、逆の指標である「特異度」はそれほど高くない。つまり、「検査で陽性だったけど、本当は陰性だった(=偽陽性)」という確率がかなり高い。妊婦の年齢によって異なる(高齢になるほど確率は上がる)が、この妊婦さんの場合のように、18トリソミー陽性と出ても、その確率(陽性的中率)は42.9%といった非常に微妙な値になったりする。従って、確定診断・・・つまり羊水検査が必要である。
羊水検査に進んだ妊婦さんは、エコーで我が子の姿を見て、「検査で陽性だったら中絶する」という考えが揺らぐ。
「かわいそうというのと・・・ かわいいというのと・・・」羊水検査の結果が出てから、中絶可能な22週までは2週間しかなかった。どんな気持ちで検査の結果を待っていただろうか。
羊水検査の結果は「陰性」。 5箇月後、彼女は元気な女の子を産んだ。しかし、一時でも中絶を考えた自分自身に後ろめたさを感じているという。
では、確定診断で陽性だったら・・・。その場合妊婦とその家族は、短期間で厳しい選択を迫られる。産んで育てるのにはどんなサポートがあり、どんな苦労があり、どんな喜びがあるのか。あるいは中絶を選んだ場合、自分達の選択にどう向き合っていけばいいのか。
ドイツでは、全国1500箇所に「妊娠葛藤相談所」が設置され、何回でも無料で利用できる。新型出生前診断で陽性と診断された場合、医師は妊婦に相談所を紹介しなければならないという法律の規定もあるという。医師と相談員は緊密に連携し、妊婦をサポートしている。このような取り組みは日本でも必要だろう。
・・・
番組を通して私が感じたのは、検査や診断の場に妊婦と同席する御主人が少なそうだということだ。冒頭の女性も、独りで話を聞いていた。これは望ましくない。妊娠18~20週前後の検診や検査では、必ず御主人が同席すべきだ。この時期は、口唇口蓋裂の診断ができる時期でもある。検査の結果は妊婦さん一人より、一緒に二人で受けとめていただきたいと思う。
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はじめまして。ブログ拝見させていただきました。
返信削除数年前に投稿されたものですが、今私は妊娠15週でNIPTの検査をうけ、昨日18トリソミーの陽性結果を貰ったところです…記事の中の女性とホントに同じ状況です。
2人目の妊娠で上の娘とは17歳差になり、私は43歳です。
久々の妊婦生活にワクワクしながら、でも、少し気恥ずかしい感じもあり、、、日々を過ごして居ましたが、今まさに、羊水検査、確定検査を前にとても混乱しています。
検査は来週…
その間あらゆるネット検索をし、絶望感に襲われたり、、、涙が止まらなくなったり。
そんな時クラッパさんのこちらのブログ拝見しとても、勇気をいただきました。
現状をしっかり母親として受け入れること。同じ体験をされた方がいると思うだけで、孤独な気持ちからも少し楽になりました。
クラッパさんのお子様は18トリソミーではありませんが、こちらの記事を書いていただき、ほんとうに救われました。
ブログって。すごいですね
私はブログやSNSが苦手で何もした事がありませんが、
今回、また、私たちの様な状況で悩まれた方のために、いまとこの後の事を発信するのもいいかもしれませんね
勇気をくださった書き込みに本当に感謝しています
これからもブログ続けてください。
こんばんは。コメントありがとうございます。
削除羊水検査、来週なのですね。検査の結果が陰性であることを願います。結果は御主人と一緒に聞きに行かれますか?お忙しいとは思いますが、とても重要なことですからお二人で行かれることをお勧めします。
今のご不安な気持ちは、お一人で抱え込むには大きすぎるものです。ぜひ御主人に胸の内を伝えてみてください。答はないかもしれませんが、一緒に向き合ってくださると思います。
温かい返信ありがとうございました
返信削除その後羊水検査にて、18トリソミーが確定し
来週娘とお別れする決断を致しました
お腹で生きている我が子を…
この選択は間違っているかもしれない。死ぬまで思い続けることでしょう
主人はあと数日しか共に過ごせない娘が悲しい思いをするから、私に、泣くな、と言います
しかし、私には泣くことしかできません
どうか、クラッパさんのご子息がお幸せに成長されますようお祈り申し上げます‼︎
今回はお話させていだだけだご縁に感謝いたしております
ありがとうございました
碧結ママさん コメントありがとうございます。
削除確定診断の結果はどうなったのだろうと気になっていました。
そうですか・・・
重い重い決断をされましたね。
コメントを頂いてから、どんな言葉が貴方にとって慰めになるのか考えていましたが、答えがありませんでした。
ちょうど、妻が私との子供を最初に自然妊娠し、その後稽留流産した時のような気持ちです。あの時もかける言葉が見つかりませんでした。
あと数日。
最愛の赤ちゃんを天に返すまでの大切な時間。泣くなという御主人の気持ちもわかる気がします。とはいえ・・・それは男性の見方かもしれませんね。
息子は口唇口蓋裂でしたが、それ以外には健康に生まれました。そのことの有難さを再認識しました。大切に育てたいと思います。
やはり、人間って…経験しないとわからない痛みがあるのだと思います。
返信削除ネットの中でこんなに励まされる事が多い事が今回よくわかりました…見るだけでなくお話出来たこと
どんなに有り難かったか…
私も今のコト…ブログに書いてみようと思います…
続くは分かりませんが…同じ痛みを抱えた人に寄り添える機会がくるかもしれないと
また、言葉にアウトプットする事で本音を吐き出し、気持ちが落ち着く事も実感しました。
すべてクラッパさんのおかげです。