2013年7月24日水曜日

生後83日目 「彼女たちの出産」を観て

昨晩の食事の後、妻がHDDレコーダで再生したのは「彼女たちの出産~2013 ある母子寮の日々~」というドキュメンタリー番組の録画だった。
茨城県土浦市にあるNPO法人。予期せぬ妊娠をして子どもを産むことになった女性たちが日々の生活に追い込まれてやってくる。NPO法人では彼女たちに無料で母子寮を提供して出産までをサポート。生まれた子どもと不妊に悩む夫婦との特別養子縁組を仲介している。

妊娠8箇月でNPO法人に駆け込んだ20代の一人の女性。風俗店で働くうち、誰だか全く分からないが、客の子供を妊娠してしまう。彼女が風俗店に勤め始めたのは、友人の借金を肩代わりして支払わなければならなくなったためだ(おそらく連帯保証人になったのだろう)。出産したら残った借金を返すため、風俗店に戻るつもりだという。

妊婦検診を受けて出産準備を進めるものの、実感は湧かない様子の女性。母子寮ではルームメイトと共同生活をしながら出産までを過ごす。風俗店勤めの頃とは異なる、規則正しく、ご近所さんや話し相手のいる生活。洗い物をしながら「普通が一番いいですね」と呟く。

やがて陣痛が始まり、女性は約3000gの元気な男児を出産する。しかし我が子をガラス越しに見るだけで、その胸に抱くことはできない。NPOの規則で、子供を抱けるのは母子寮を出て行く時の一度だけだからだ。子供に愛着が湧きすぎるのを防ぐための規則。

女性が退寮する日。親権放棄誓約書にサインしたあと、初めて我が子を抱く女性。抱き方もぎこちない。子供に言いたいことを問われ、「他の子は母児同室でみんなお母さんと一緒なのに・・・、ひとりにしてごめんね」と言って声を詰まらせ、別れの時間が来るまで我が子を抱き続けていた。

故郷に帰るのか、電車に乗った女性。風俗店に戻るつもりはなくなったという。借金は地道に返していく。きついだろうが、これ以上にきついことは無いから・・・と。

女性の子供は、長野県の夫婦に養子として育てられることになった。

・・・こんな感じのドキュメンタリーだった。

新生児の映像を見ると、我が子の誕生のことが思い出されて、いまだに目頭が熱くなる。妻も「こんな可愛い赤ちゃん、手放すなんて無理」と。シングルマザーとして娘を必死で育ててきた彼女には、当然のことだろう。

TVでは新生児の遺棄のニュースが絶えない。 息子を授かるまでの私達のように、不妊・不育に苦しむ夫婦がどんな気持ちでそんなニュースを見ているか分かるだろうか。それを思えば、このNPOを探しだしてやってくる女性の子供はまだ・・・全てが幸せとは言わないかもしれないが、希望がある。願わくば優しい養親の元で元気に育ってほしい。

特別養子縁組の斡旋については多くの意見があるだろう。しかし、こうしたNPOの活動で多くの小さな命が救われているのは事実だ。彼女たちに予期せぬ妊娠をさせてしまったのが、最終的にこの社会のせいならば、こうした命を守り育てていくことも社会の責任ではないだろうか。

・・・

 昨晩のお風呂での体重は6.5kg。電動スウィングラックに乗せていても、暴れて止めるという技を覚えてしまった。



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6 件のコメント:

  1. こんにちは。番組は見ていないですが、紹介文を読んだだけでほろりときてしまいました。
    子供が生まれてから、考え方が色々と変わりました。以前であれば「何でそんなことをするの?」「そんな風に思うなんて本当にあるの?」と考えていたことが、今では分かる。我が子を手放すなんて、想像しただけで苦しくなります。
    その意味では、子を手放さざるをえない立場になったことがない以上、その考えも分からないと言えるのかもしれませんが…。苦しい思いをする親子が一人でも減って欲しいとは心から思います。

    息子さん、どんどん大きく成長されてますね!うちの息子も、バウンサーの上でこれでもか!というくらい暴れるようになってきました(^^;)。

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    1. キリサトさん こんばんは(^^)

      スウィングラックの調節つまみをどんどん強くしている今日このごろです(^^;

      ・・・

      もし子供がいなくてこの番組を観ていたら、また感想はちがっていたかもしれませんね。そもそも番組を観ていないかなぁ。
      私の妻も哺乳の問題で母児同室ができなくて凹んでいたので、番組内の女性の言葉は胸に響きました。

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  2. 私の知人がかつてこのような誕生で
    実子として養親のもとに引取られて
    育てられました。両親と血が繋がって
    いないと知ったのは彼が結婚して
    親になり母が死去した翌日。

    幸せな家族に恵まれましたが
    彼はやはりどこかもの寂しい
    ようです。引取られて幸せ
    といっても真相をしれば揺れるのが
    人間なのだと思いました。

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    1. 生みの親が自分を育てることができなかった、ということは、子供にとっては大きなことなのでしょうね。養親への感謝はまた別として。

      医師の鎌田實さんも37歳まで、自分が養子であることを知らなかったそうです。養親が養子へそのことを告知する・しないも難しい判断なのでしょう。

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  3. コメントありがとうございます。友人へのお披露目やっぱり迷いますね・・・
    もう少し考えてみようと思います。

    いつもブログ拝見して参考にさせて頂いております。
    とてもわかりやすくてありがたいです。
    もうすぐ口唇の手術でしょうか?

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    1. お披露目は、よく御主人と御相談なさってくださいね。でも、あまり気にしすぎないようにしてください。何と言っても、無事に御出産されることが第一ですから。

      口唇の手術はDr.のスケジュールがたてこんでいて、9月の中旬の予定です。それまでは今のお顔を見ていられます♪

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