2014年2月1日土曜日

生後275日目 子供のいる相手との結婚とは

歳をとってから息子が生まれたことを、とても幸せなことだと思っている。

これは私だけでなく、妻も日頃から口にしている。シングルマザーとして娘を育てていた時には余裕がなくて感じられなかった、子育ての楽しさを初めて体験しているのだと。そして、いつも「あの悪阻さえなければ・・・、あと2人は育てたいんだけど」と言っている。

私としては、彼女はすでに十分以上に頑張ったと思っている。実際に血を吐くほどの悪阻に苦しみながら娘を出産し、18年後にも更に酷い悪阻でボロボロになりながら息子を出産してくれた。確かに息子には少し障害があり、何の問題もない赤ちゃんの子育てというものを、私はどうやら体験できなさそうだが、しかし妻と共に息子の障害の治療に通う日常ですら、私達には宝物となる日々なのだ。

同様に、娘との生活も貴重な体験だと思っている。特に息子が生まれてからは、娘が不器用ながらも弟の世話をしてくれるようになって、素直に嬉しく感じている。

私と娘に血の繋がりはない。たまに、事情を知る人に「どうやってうまくやっているのか?」と聞かれることがあるが、傍から見るほど平和ではないことは最初に説明している(笑 それでも何とかなっているのは、適度な距離感を保てているからだと思う。

例えば、私のことを無理に「お父さん」などと呼ばせていない。なので、いまだ結婚前のように娘は私を「○ちゃん」(○は苗字の一文字)と呼んでいる。娘は学校ではやはり「○ちゃん」と呼ばれているので、父親の呼び方の話になった時、娘の友達は「それじゃ家族中『○ちゃん』じゃん!」と笑っていたそうだ。もちろん、「お父さん」と呼びたければそれでもいい。「パパ」はちょっと気持ち悪いかな(^^;;

成長した子供から見た時、父親というのは「困ったときに頼る存在」であればいいのだと思う。そのくらいの距離感が大事。まあ、娘の場合小さな「困ったこと」が日常茶飯事的に発生するのだが・・・。


子供のいる相手と結婚するのには、子供と向き合うという最低限の覚悟は必要だと思う。しかし、それほど身構えたり忌避したりすることでもない。本心から一緒に人生を送りたいと思えるパートナーの子供なら、一緒に暮らすことにそれほど抵抗を感じるだろうか。最初はちょっとギクシャクすることもあるだろうが、元々他人なのだから当たり前。一緒に暮らすうちに時間が解決してくれるものだ。

まあ、そんな事が言えるのも、妻が娘を優しく育ててきてくれたからなのだが。

・・・


さて、その娘は明日の日曜日に「練習用の」私立大学の受験だ(本当に入学されると家計が大変なことになるので、あくまでも試験慣れのため)。最初は会場まで送れなどと甘えていたが、「自分で調べて試験会場に行くのも一つの練習だ」と言うと、「はぁ~い」と言って同じ日に同じ会場で試験を受ける友達を探しだし、一緒に行くことにしたらしい。電車に乗って30分、さらに無料の臨時直行バスで30分。その友達が娘と同じような極度の方向音痴でなければ、試験会場に無事に着けるだろう(^^;;;




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2 件のコメント:

  1. 自分の子供は、日本以外で育ったので実際に自分は子育ての経験は無く、血のつながりがありながら、普通の父親ではありません。 小さい時に会いに行く度に、二人とも写真と同じ人が来たって言い、決してパパと言う感じではありませんでした。 その一人を、下の子が絡む事故で亡くした後、何故か下の子は、自分に良く見せたい、兄のように優等生でいる姿を見せたいと思って育ったようです。 それゆえ、成人になっても何となく余計距離感があったのかもしれません、
    もしこの子との距離が近過ぎたら、親子ともども、その事故から抜け出せずにいたのかもしれません。 子供は既に外国国籍となり、子供もおり、誰よりも大切に育てているようですが、成人になるまでは親としての責任を誰より果たすのだと言っています。 子供は親を見ながら育ち、そして、何かを引きついで行くものだと、この歳になって思います。 親子の距離とは、決してそばに居るだけでは無く、心のつながりだと思うんですよね。 お嬢さんは、奥様の良い所をちゃんと引き継いでいる。 そして、勉強他では、きっとOちゃん(失礼ながら・・)の良い所を引き継いでいかれると思いますよ。 子供とは、血のつながりだけでは無く、親として出来る事を自然にする優しさから、生まれるのだと感じています。
    東京の老人より。

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    1. 4人目の家族として血の繋がった息子が生まれてみて・そして障害の治療を含む子育てをしてみて、逆説的ですが、親子になっていくのに一番大切なのは血の繋がりではないなと思うようになりました。

      息子と同じ障害を持つ子の父親の多くは、母親と共に協力して育児と治療をしていますが、中には全くそういったことをしない父親もいます。血が繋がっていて、治療が必要な子であってもです。きっかけが掴めないのか、やり方がわからないのか。
      そんなお父さんにも少しずつ、自分にとって自然な距離感で子供に関わってほしいなと思っています。

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