今朝、妻が「パンを買いに行こう」と言う。どこのパン屋かと聞くと、市の社会福祉協議会の広報誌を示して、そこで紹介されているパン屋だと。障がい者が働く店で、スワンベーカリーという名だ。
車で20分ほどで着き、店内に入ると棚に各種のパンが並んでいる。街によくある感じの焼きたてパン屋だ。店の内側では3~4人の店員さんが働いている。10個くらいのパンを選んでレジに並ぶと、「モーニング」の文字が目に入った。イートインスペースもあることだし、せっかくなのでモーニングを頼んだ。
レジ係の方は、精算のスピードや私達とのやりとりは普通以上だし、愛想も良い。レジのもう一人の方は研修中だろうか、一つ一つ先輩に確認しながら丁寧に注文票に記入していた。
モーニングは300円~400円。サンドイッチとサラダがセットで、ドリンクバー付。ファミリー・レストランならドリンクバーだけでこの金額になるだろう。私達が食べているあいだに、15席ほどのイートインスペースは8割埋まった。
息子は柔らかめのパンを食べてゴキゲン。子供用椅子の上で踊るのでヒヤヒヤものだが。
テーブルの上にスワンベーカリーの紹介文が書かれた紙が立ててあった。同様なことが以下のサイトに掲載されている。
スワンについて スワンベーカリー
日本の障がい者の数は人口の約6%、約724万人といわれています。働いている人の大半は全国に6,000箇所以上ある共同作業所や小規模授産施設におり、1カ月の給料が1万円以下という低さで自立するには、ほど遠い現状です。
福祉施設の幹部職員に経営のノウハウを伝授しなければ低賃金からの脱却は望めないことを痛感した小倉前理事長は「製品」や「作品」作りではな
く、一般の消費者を対象としたマーケットで売れる「製品」創りをめざしたセミナーを1996年から全国各地で開催し、意識改革に取り組んできました。
この過程で月給10万円以上支払うことを実証し、お手本を示す必要から「焼きたてのおいしいパン」店構想に着眼しました。「アンデルセン」「リ
トルマーメイド」を全国展開しているタカキベーカリーの高木誠一社長という良き理解者、協力者を得て、同社が独自に開発した冷凍パン生地を使えば障がい者でもパンが焼けることが分かり、さっそく実践に移しました。
サイトを見ると、私達の町にスワンベーカリーの店ができてから10年以上経っていることが分かった。私は、障がい者を雇用している店なら他にも知っているし利用してもいるが、このお店はその前をいくども通ったことがあるにも関わらず、普通のパン屋さん、という意識しかなかった。これからもずっと、普通のパン屋さんとしてそこに在ってほしいものだ。
・・・
帰宅して、3人で庭に出ると、前に住んでいた方が植えた春の花が咲き始めていた。カエルも暖かさに誘われて現れた。
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