2013年6月19日水曜日

生後48日目 見た目を綺麗にする以上のこと

昨日のお風呂の後に着せた服は和風。

体重は5.1kg。手も足もよく動く。妻はお風呂に入れたことがないので、「この子の素裸はあんまり見たことがない」と言う。そんなはずはないのだが(^^;

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本日の午前1時にご本人が口唇口蓋裂であったご婦人からコメントを頂いた。コメントには、ご両親には口唇口蓋裂であることを伝えられていなかったこと、一回だけ小学校の時に口のことで悪口を言われたこと、しかしご本人が「能天気」と仰るように、あまり傷つくことなく成長されたこと・・・が記されていた。

当ブログの性質上、現在妊娠中の方や子育て中の方からコメントを頂くことが多いが、今回のような当事者の方からのコメントは、妊婦や親としての立場とはまた違った角度から、口唇口蓋裂という疾患を見つめ直すきっかけとなる。

私達は子供を育てながら、口唇口蓋裂という疾患に常に向き合っている。ともすると手術を予定通り受けさせること、口や鼻の外見を綺麗にすること、構音/発音を上手にさせること・・・そればかりを追いかけてしまいがちだ。もちろん各々とても重要なことで、親は全力を尽くす。

ただ、障害があろうとなかろうと、親として最も重要なことは、「子供の心を育てる」ことではないだろうか。コメントのご婦人は「能天気」と仰っておられるが、少々のことには動じない安定した心というものは、ご両親をはじめとした周囲の方々が子供の「自尊感情」あるいは「自己肯定感」を大事に育ててこられたことの証左である。

「自尊感情」「自己肯定感」というのは昨日読んだ本からの受け売りだ。受け売りついでに引用しよう。
自尊感情が高い人とは、ちょっとやそっとバカにされただけでは揺らがない、強い自分を持っている人のことです。少々のことではくじけず、「自分ならできるはず」と、何事にも粘り強く取り組むことができます。自分を大切に思う気持ちが豊かな分、他人のことも同じように大切にすることもできます。自尊感情は、少々のことには動じず堂々と人生を歩んでいくうえで欠かせない、心の土台みたいなものだといえるでしょう。それさえあれば、どんな世の中だって渡り歩いていける、究極の無形財産です。「生きる力」の源泉です。-「忙しいビジネスマンのための3分間育児」より
息子には少なくとも、外見で人を馬鹿にするような小さな人間にはなってほしくないものだ。コメントにもあるように愛情たっぷりに、そして正しいベクトルで育てていきたい。

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いつものように帰りの電車で妻にSMSを送ったら、娘がムカデに噛まれた(!)ので病院に来ていると返信。どうやら学校で噛まれたらしい。ジメジメしてくると出てくるからなぁ。脚の多い虫が心底苦手な娘だから、結構トラウマになったのではないのかなぁ。。。

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帰ってきた娘は案外に平気そうだった。ムカデは小さくて痛みもあまりなかったので、普通に帰宅していたのだが、 妻が念のため連れていったらしい。

これが家で大きなムカデに噛まれていたら、おそらく今頃大騒ぎでバルサンでも焚いていたかもしれないな。




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2013年6月16日日曜日

生後45日目 まず子供ではなく奥さんを気遣うこと

昨晩は8時に眠たくてたまらなくなり、息子を風呂に入れないまま、「1時間だけ・・・」と言ってそのまま午前4時まで眠ってしまった。出産内祝いの発送手配や、手渡しするのにグルグル回って疲れていたのかもしれない。妻は私を気遣ってかリビングで息子と寝て授乳もしていたはずだが、私を起こすことはなかった。ありがとう。。。

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昨日の内祝配りが終わったあと、車で15分の実家に寄って、検診の結果問題がなかったことを報告。私の母が授乳してくれたり、あやしてくれたり。「お義母さんが嬉しそうなのを見ると、なんだか『私、よくやった~』って感じ。。。生まれるまで色々大変だったけど、それもいい思い出」とは妻の言葉だ。稽留流産のあと、不妊治療に通っていることを私が口を滑らせて母に言ってしまったこともある。その場に妻もいて、母に見えないようにしながら少し涙ぐんでいた。・・・今ではそれも思い出の一つだが、あの時の私は気遣いが足りなかった。





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仕事が終わって電車に乗るとき、いつも妻にSMSを送るようにしている。これは結婚してからずっと、ほぼ毎日送っている。息子が生まれて退院してからも勿論送っていたのだが、退院から10日くらいで、SMSの内容が息子の様子を聞くものばかりになっていることに気がついた。

もちろん妻は「元気だったよ~」とか「ちゃんとウンチ出ました!」などと返してくれるのだが、私から妻に送るメッセージはこれではいけないと思ったのだ。だから、電車に乗った時のSMSでは、「妻の」体調などを聞く、息子が生まれる前の内容に戻した。

乳児を子育て中のお母さんは丸一日子どもと向き合い、社会との繋がりが希薄になって孤立感を味わうことが多い。旦那さんとのコミュニケーションだけが、鬱憤のはけ口になることが多い。ならば、旦那さんは機会をとらえて奥さんが話しやすいきっかけや雰囲気を作るようにするべきだ。旦那さんが口を開けば子供のことばかりでは、奥さんの気持ちは爆発するか落ち込むかのどちらかになってしまう。中には旦那さんの気遣いがなくても関係なく元気な奥さんもあるかもしれないが・・・

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ほぼ1日中雨だった昨日とはうってかわって、今日は最高気温が33~34度にまで上昇するらしい。妻と息子の調子にもよるが、どこかに美味しいものでも食べに行けたらいいな。



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2013年6月15日土曜日

生後44日目 助産師さんからのメッセージ

息子を見ていると、最近少し笑顔の表情が出てきたかなと思う。昨晩、息子と遊んでいた娘もそう言っていた。テーピングで頬を引っ張っているから、ニッコリするにも筋力が必要だと思うけれど。

妻は昨日の健診と深夜の授乳で疲れたのか、7時を過ぎても息子と一緒に眠っている。お弁当もないのだから、ゆっくりすればいい・・・と思っていたら、娘が起きている。聞いてみると高校で土曜講座なるものがあるらしく、まる1日学校へ行くんだそうだ。さっき自分でパンを焼いて食べ、お昼は何か買うらしい。まあ、たまにはお昼に好きなものを買って食べるのもいいだろう。それにしても受験生は大変だなぁ。自分の時のことは忘れてしまったが、そういえば私達の頃は土曜日が休みじゃなかったか。

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昨日の健診ではお会いできなかったのだが、息子を取り上げて頂いた助産師さんに長文のメッセージを頂いた(息子や妻の写真は、途中経過の報告時に同僚の看護師さんにお渡していた)。文面は個人情報などに配慮して一部編集している。

息子さん、本当にかわいく成長されていますね。誕生された時も天使のかわいさでしたが。順調に大きく育っていらっしゃるようで嬉しく顔がほころびました。
奥さまもお元気そうですね。

当院は出産数も多く、口唇口蓋裂を持って産まれる赤ちゃんは少なくはありません。しかし、専門の形成外科の医師や治療体制がなく、医大附属病院へご紹介させていただくことが常です。
そのため、当院を退院してからの様子はあまり把握出来ていないところが実です。

御出産の際、御主人様やご家族の皆様は「かわいい」と、お迎えになられていらっしゃいました。しかし、はじめて対面した、口唇裂のある我が子、受け入れるのに産後時間を要す方もいらっしゃいます。

また、医大附属病院へ紹介となるまでに、当院で十分なケアができているかスタッフ各々考えることもよくあります。今回の御出産を通して、ケアの在り様を今一度見直すきっかけにさせて頂きたいと思います。
この助産師さんはまだ20代半ばだが、分娩にあたっての準備、妊婦のケア、分娩介助の手際、他のスタッフへの指示など、あらゆる点においてプロフェッショナリズムを感じる優秀な方だ。しかも相当な美人さんで、そのお姿を紹介できないのが残念でならないが・・・それは置いといて・・・

これから口唇口蓋裂のお子さんを出産予定のお母様が不安に感じていることの一つは、生まれてくる子を受け入れることができるかどうかということではないだろうか。私達の場合は流産や不妊治療、激しい悪阻といった数々のハードルを乗り越えてきた経緯もあり、とにかく生きて生まれてきたくれたことが嬉しく、そして息子が可愛くてならなかった。人によって、受け入れるのにかかる時間は違うだろう。しかし、必ず「産んでよかった!」と思える瞬間が、しばらくすればやってくる。妊娠中のお母さんには、気持ちをゆったりと保って、ストレスのないマタニティライフを送っていただきたい。

テープ貼ってるとタレ目になっちゃうね~(^^;



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2013年6月14日金曜日

生後43日目 1箇月健診/凍結受精卵保存終了

午後から1箇月健診のために、出産した病院へ行くことになっているが、その病院へ行くのには、もう一つ目的がある。不妊治療でお世話になった先生にお礼を申し上げ、凍結受精卵の保存終了をお願いすることだ。

以前の記事にも書いたが、 長い不妊治療を経て息子を授かった私達としては、受精卵の保存を終了してしまうことには心理的な抵抗が大きい。あの時の受精卵の一つが偶然に選ばれて、こうして息子として授かった。残りの、今凍結保存されている受精卵も、ほとんど違いはなかった。



しかし、私達の年齢と妊娠中に激しい悪阻に苦しむ妻の体質を考えれば、その受精卵をもう一度移植することは現実的ではない。息子をしっかり育てていくという覚悟も込めて、今日保存終了をお願いするつもりだ。学術的な研究に使用されるのであれば同意しようと思う。そして、この日を覚えておこう。

出産後に不妊治療の先生にお会いする場合には、周囲に細心の注意を払わなければならない。不妊治療中の方々の隣で赤ちゃんを抱いて待つなどということは、絶対にしてはならない。不妊治療中の女性は、様々な不安と必死で闘いながら辛い治療に耐え、長い待ち時間をひたすら待っているのだ。

私が1箇月健診について行くのには、妻一人で不妊治療の先生にお会いできるようにするため、というのが大きな理由である。妻がIVFで待っているあいだ、私が離れた場所で息子の面倒を見る。これなら他の不妊治療中の女性に不快感を与えずに済む。

妻は昨晩、IVFの受付で出すメッセージを大きな付箋紙に書いていた。内容は「凍結受精卵の保存について、先生とお話したい」ということだ。これは、受付で声に出すと不妊治療中の女性に聞こえてしまうかもしれないから、という妻の配慮である。彼女はこの不妊外来でも看護師として働いていたし、患者としても何年も通っていた。だから医療者側の事情も患者の気持ちも熟知している。息子の育児が一段落したら、また看護師として経験を活かしてもらいたい。

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午後1時、病院の最寄りの駅まで車で迎えに来てくれた妻と合流。健診は朝からだったが、不妊外来や産科の検査は午後になるので、検査の途中で外出して迎えに来てくれた。ところが車中で聞いてみると、既に不妊外来も産科も終わっているという。偶然なのか、どちらも非常に早く順番が回ってきたらしい。では不妊外来にはどうやって行ったのかと聞くと、知り合いのベテラン看護師さんがおられて、あやしてもらっていたらしい。

1箇月健診で計測してもらったところ、体重は4710gであった。小児科の先生にもしっかり発達していると太鼓判を押してもらい、まずはひと安心である。予防接種については、やはり2箇月の誕生日からが原則だと言われた。まあこれは仕方ないところか。





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