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2015年4月11日土曜日

生後710日目 妊婦健診の頃を思い出す

ふと、胎児診断で息子が口唇口蓋裂と診断された時のことを思い出していた。あれは息子が生まれる5か月も前のことだった。その時の経験をベースに、妊婦さんあてにこんな記事を書いている。

生後613日目 胎児診断で口唇口蓋裂を告げられた妊婦さんへ

さて、その妊婦検診で私が妻に付き添っていたのは、妻の悪阻が想像を絶する酷さだったからだ。ピーク時には2か月間の入院を余儀なくされた。退院してからも、やっと歩けるかどうか。肋骨が浮き出るほど痩せ細った。当然一人では病院にも行けないし、病院内では車椅子を私が押していた。

そんなわけで、妻の妊婦健診の時には有給休暇を取るなどして毎回付き添っていた。担当の超ベテラン産科医は若い妊婦さんには「怖~い」と恐れられているが、アラフォーの私達には話しやすい先生だった。

その先生が私達に、胎児が口唇口蓋裂であると伝えてくれた。人によるだろうが、私は自分でも意外に冷静だったと思う。その他に分かる範囲では障害はないと教えていただいた。一緒に聞いていたので、妻は比較的楽だったのではないかと思う。

妻が先生に原因は何か?悪阻で栄養が足りなかったからか?と聞いたが、言下に「関係ない」と否定された。そして一言、「確率の問題」と告げてくれた。これ以上ない短い言葉だったが、それでだいぶ救われたと思う。

その後の妊婦健診にももちろん毎回付き添った。4Dエコーで何とか私達に顔を見せようと先生が頑張ってくれたが、その度に顔の前で腕をクロスしたり(「十字ブロック」と呼んでいた)、背中側を向いていたり。診断後3回は顔が見れなかったのだが、それも「またか~」と笑えるようになっていた。

その後何とか正面のエコー写真を撮ることができたので、妻はそれを家でずっと見て「可愛い、可愛い」と声をかけ続けていた。両側口唇裂(顎裂・口蓋裂)がハッキリ写った写真だが、不妊治療の末にやっと授かった子。生まれたらすぐに治療が待っていると思うと、穏やかに過ごせるのはあと数か月だった。

病院に付き添っていくと、多くの妊婦さんは一人で来ておられた。まあ旦那さんは仕事があると思うのでそれが普通だろうか。だが、お腹の赤ちゃんに障害がある(かも)と知らされた場合は、どうか夫婦二人で妊婦健診に行ってほしい。

男性というのは情けないもので、病院になかなか行きたがらない。単純に病院が怖いということもあるだろうし、赤ちゃんに障害があるとわかると、医師の話を聞くのが恐ろしいというのもあるだろう。でも、奥さんは逃げ出せないのだから、御主人も一緒に向き合うべきだ。まあ、そんなに難しいことではない。一緒に医師の話を聞き、奥さんの今の気持ちに耳を傾けるだけだ。

・・・

さて、今日も先週に続いてスワンベーカリーのイートインに行こう。

息子の「ものもらい」はだいぶ小さくなった。



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2014年5月8日木曜日

生後371日目 「コウノドリ」口唇口蓋裂編第3回

今朝は少し早く家を出て、駅の隣にあるコンビニエンスストアで雑誌「モーニング」を買った。連載されている医療マンガ「コウノドリ」を読むためだ。鞄に入れず、そのまま駅の階段を上がり、改札を抜け、ホームの列に並んで「コウノドリ」の掲載ページを探す。ちなみに、表紙も「コウノドリ」の絵だ。

2014年4月18日金曜日

生後351日目 「コウノドリ」口唇口蓋裂編スタート

昨日も息子と遊んでやろうと、定時すぐに会社を出て帰宅した。ビジネスバッグの中には、昼休みにコンビニに走って買った「モーニング」2014.5.1号が入っていた。

2013年7月24日水曜日

生後83日目 「彼女たちの出産」を観て

昨晩の食事の後、妻がHDDレコーダで再生したのは「彼女たちの出産~2013 ある母子寮の日々~」というドキュメンタリー番組の録画だった。
茨城県土浦市にあるNPO法人。予期せぬ妊娠をして子どもを産むことになった女性たちが日々の生活に追い込まれてやってくる。NPO法人では彼女たちに無料で母子寮を提供して出産までをサポート。生まれた子どもと不妊に悩む夫婦との特別養子縁組を仲介している。

妊娠8箇月でNPO法人に駆け込んだ20代の一人の女性。風俗店で働くうち、誰だか全く分からないが、客の子供を妊娠してしまう。彼女が風俗店に勤め始めたのは、友人の借金を肩代わりして支払わなければならなくなったためだ(おそらく連帯保証人になったのだろう)。出産したら残った借金を返すため、風俗店に戻るつもりだという。

妊婦検診を受けて出産準備を進めるものの、実感は湧かない様子の女性。母子寮ではルームメイトと共同生活をしながら出産までを過ごす。風俗店勤めの頃とは異なる、規則正しく、ご近所さんや話し相手のいる生活。洗い物をしながら「普通が一番いいですね」と呟く。

やがて陣痛が始まり、女性は約3000gの元気な男児を出産する。しかし我が子をガラス越しに見るだけで、その胸に抱くことはできない。NPOの規則で、子供を抱けるのは母子寮を出て行く時の一度だけだからだ。子供に愛着が湧きすぎるのを防ぐための規則。

女性が退寮する日。親権放棄誓約書にサインしたあと、初めて我が子を抱く女性。抱き方もぎこちない。子供に言いたいことを問われ、「他の子は母児同室でみんなお母さんと一緒なのに・・・、ひとりにしてごめんね」と言って声を詰まらせ、別れの時間が来るまで我が子を抱き続けていた。

故郷に帰るのか、電車に乗った女性。風俗店に戻るつもりはなくなったという。借金は地道に返していく。きついだろうが、これ以上にきついことは無いから・・・と。

女性の子供は、長野県の夫婦に養子として育てられることになった。

・・・こんな感じのドキュメンタリーだった。

新生児の映像を見ると、我が子の誕生のことが思い出されて、いまだに目頭が熱くなる。妻も「こんな可愛い赤ちゃん、手放すなんて無理」と。シングルマザーとして娘を必死で育ててきた彼女には、当然のことだろう。

TVでは新生児の遺棄のニュースが絶えない。 息子を授かるまでの私達のように、不妊・不育に苦しむ夫婦がどんな気持ちでそんなニュースを見ているか分かるだろうか。それを思えば、このNPOを探しだしてやってくる女性の子供はまだ・・・全てが幸せとは言わないかもしれないが、希望がある。願わくば優しい養親の元で元気に育ってほしい。

特別養子縁組の斡旋については多くの意見があるだろう。しかし、こうしたNPOの活動で多くの小さな命が救われているのは事実だ。彼女たちに予期せぬ妊娠をさせてしまったのが、最終的にこの社会のせいならば、こうした命を守り育てていくことも社会の責任ではないだろうか。

・・・

 昨晩のお風呂での体重は6.5kg。電動スウィングラックに乗せていても、暴れて止めるという技を覚えてしまった。



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2013年7月20日土曜日

生後79日目 妊婦の悩みを聞く御主人に

妊婦は情緒不安定なものだ。

妻の場合は激しい悪阻だったので、二人で居るときに泣かれたことも2度や3度ではない。そして、胎児診断で口唇口蓋裂と診断されてから出産するまで5箇月もあったから、確かに準備期間はしっかりとれたが、不安になる時間もたっぷりあったわけだ。私の知らない所でもつわりの苦しさや不安で泣いていたかもしれない。

胎児に何らかの障害があると判った場合、それから出産するまでの間、普通の妊婦さんが抱える不安の何倍もの不安を感じながら過ごすことになる。訳もなく涙が出たり、眠れなかったり、後ろ向きな事を言ってみたり、果ては妊娠しなければ、この子さえいなければ・・・とまで思ってしまう。

妊婦さんがそんな様子を見せた時、御主人をはじめ周囲の方々にお願いしたいことがある。

まず、共感してほしい。

「妊娠したことを喜べなくなっちゃったんだね」

「この子のお顔のことが心配なんだね」

「生まれた子を受け入れられるかどうか、分からないんだよね」
 「イジメられたりしないか、心配なんだよね」

妊婦さんはいっぱいいっぱいの状態で、悩みを御主人に打ち明けている。内容がまとまっていなくて当たり前。矛盾があったり、御主人がイラっとするようなこともあるだろう。それは仕方のないことだ。「口唇口蓋裂は治る」「皆がサポートしてくれる」と理屈では分かっていても、心がそれについていかなくて悩んでいるので、そんな悩みに対していきなり論理的に納得させようとしても無意味だ。「そんなことは分かってる!」と言われるだけ。

妊婦さんが御主人に望んでいることは、「私の気持ちをわかってほしい」ということ。だから、奥さんの悩みを聞いて、オウム返しでも良いから、共感の気持ちを言葉にして返してあげてほしい。そして、そんな気持ちになることは当然で、悪いことではないと伝えてあげてほしい。

そして御主人には、「(口唇口蓋裂があっても)問題ない。生まれるのを楽しみにしている」という一貫した態度を取っていただきたい。もちろん御主人も不安に思うには違いないだろうが、妊婦さんが感じている不安はその何十倍もの大きさだ。ここでしっかりサポートできれば、妊婦さんのストレスが緩和され、胎児の発育にも良い。機会をとらえて奥さんに話しかけ、その気持ちを知り共感する努力をしてほしい。

・・・

昨晩の体重も6.3kg。左頬のデュオアクティブを剥がし、ほとんどテーピングをしていない状態で入浴した。たぶん初めて、左頬をお風呂で優しく洗うことができた。そのうち右頬も洗ってあげるからね。

今日は地元のクリニックで、2回目の予防接種の予約をしようと思う。




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