2015年2月5日木曜日

生後645日目 妻、無双状態

少し帰りの電車に乗るのが遅くなった。「バス待ちが30分になるので、歩いて帰ります」と妻にSMSを送ったところ、車で迎えに行くよと返信があった。ちょっと運動したかったのだが(^^・・・

駅のロータリーで数分待っていると、チャイルドシートに息子を乗せて妻がやってきた。今日は道が混んでいて遅くなったという。妻は昨日の日中、母親を術後の受診に連れていっていたはずだ。義母は先週、下肢静脈瘤のレーザ焼灼術を受けている。

妻が運転しながら言う。

「今日は、病院で3人の人に話しかけました」

「へえ」

「一人目は、駐車場から歩いている時に見かけたおばあさん。1歩か2歩、歩いては休んでいるので気になっちゃって。車椅子を持ってきましょうかと声をかけたんだけど、『いや~ええです』って言うの。しかも声に全然元気がない」

「じゃあ一旦受付に行って・・・」

「そう。玄関まで先に行ったら、”ボランティア” って書いた名札した若い女の子・・・たぶん学生さん?が居たから、ちょうどいいやって思って、『こんな感じのおばあさんが居るから、車椅子で迎えに行ってあげて』ってお願いしたの。そしたら、『わかりました~』ってすぐに行ってくれたわ。で、その時に、その子が口唇口蓋裂だったと分かったんだけど、もう行っちゃったあと」

「まあ、いい事したね」

「うん。でね、次は会計の時、どう並んだらいいか分からなさそうなおじいさん。だから声をかけて座っててもらって、あたし達の会計の順番になった時に、係の人に『あそこのおじいさんの会計をしてあげてください』ってお願いしたの。耳が遠いみたいで、係の人も大きな声で話しかけてたわ」

「うんうん。で、3人目は?」

「病院の食堂で母と一緒に食事をとった後で帰ったんだけど、玄関でさっきのボランティアさんがいたの。おばあさんの事聞いたら『ありがとうございます。車椅子でお連れしました』 って。でね、『本当に失礼だったらごめんなさい。口唇口蓋裂だったのよね?』って聞いたの」

「お~~」

「そしたら『そうです』って。あたし、『この子(息子)も両側の口唇口蓋裂なんです』って言って、お話を聞かせてもらったの」

知らない人でもグイグイ話しかける妻らしい。特に昨日はバイタリティに溢れていて、いわゆる「無双状態」。

ボランティアさんに聞いた話の要点は以下のような感じだ。
  • 15歳位まで言語治療をした。小学生の頃まではかなり頻繁だった。
  • 「言語の先生」が怖くて行くのが嫌だった。声を録音して親に行ってもらったことも。
  • うまく発音できなかったし、小さい頃はあまり喋らなかったと思う。
まず、妻の不躾な質問に答えてくれたボランティアさんに本当に感謝したい。

人それぞれだと思うが、やはり言語治療に頻繁に通う可能性も小さくないようだ。それにしても「言語の先生が怖かった」というのは、親にとってはちょっとショックなことだ。施療者が患者に恐れられていては・・・特に継続的なリハビリが必要な疾患なのだから・・・治療に悪影響が出る可能性がある。小さな子供は施療者の交代を訴えることもできないだろうし、そうした子供の気持ちは親が汲み取ってあげるようにしたいものだ。

だが、その子は(病院でボランティアをしているくらいだから)おそらく医療関係の学校に進んだのだろう。どの方面を目指しているのかまでは、妻は聞かなかったらしい。

「言語聴覚士(ST)とか目指してるのかな」

「聞かなかったわ・・・。でも普通でもSTはタイヘンよ。発音指導するんだから自分が正しい発音できてないといけないし」

「そうだね。普通の人より何倍も努力しないといけないかもしれない・・・けど、もしSTになれたら、当事者の経験があるから、すごくいい『言語の先生』になれるかも」

「そうだわねぇ。すごく感じのいいしっかりした子だったから、何になるにしても頑張ってほしいわ」

・・・

息子は昨日もヤンチャし放題。狭い所に入って遊ぶのはもちろん、(私の監視のもと)階段を昇り降りして遊ぶこと20分以上。さすがに疲れるのである・・・


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2015年2月4日水曜日

生後644日目 べた褒め/母親の「余裕」

昨晩の夕食が終わると、妻と息子が木製の知育玩具で遊びはじめた。しばらくすると息子が立ち上がり、「作品」を持ってくる。

ものすごい真剣な表情で・・・(笑
何か自分でできて、見て欲しい時にはこうして持ってきたり、妻や私の方を見てワーワー騒ぐので、過剰なくらいアクション付きで褒めてやる。よくできたね~とか、バンザイしながらすご~いとか。「自己肯定感」メーターがあったら120%になるくらいに。

満足すると去っていく・・・(^^;;
妻はこのオーバーに褒めるのが習慣化してきていて、私が昨日の朝にちょっとだけトイレ掃除をしたら、妻から賛辞の嵐である。

「トイレ掃除してくれたのっ?」

「ん? あ~、ちょっと気になったから」

「まあ~、こりゃ~こりゃ~、ありがとうございます。『勝手にきれいになるはず無いし、しかし掃除道具を動かした形跡が無いし』って思ってたのよ」

ブラシでちょこちょこっと磨いて、ブラシは元の位置に戻しただけだが・・・こうしてのせられていくんだろうか。まあ悪い気はしない。

・・・

今朝の出勤前に、妻が唐突に呟いた。

「お姉ちゃんの時にこのくらいの余裕があったら良かったなぁ。よく怒っちゃったなぁ・・・」

「一人で二人分やってたんだから、余裕ないのは仕方ないんじゃない?」

妻はシングルマザーとして、働きながら独りで娘を0歳から中2まで育てた。

「まあそれもあるけど、何と言うか、『絶対きちんと育ててやる!』みたいな・・・変な気負い?」

「職場とかでちゃんとしなきゃみたいに言われるわけ?」

「ん~、そんな雰囲気も無くはないかなぁ。あと、親戚とかに当初はだいぶ言われた」

0歳児を抱えて離婚することに全面的に理解を示す親戚ばかりではないだろう。

「だからかなぁ。何か、よく怒ってた」

「今より全然おとなしかったのに?」

「そうなのよねぇ・・・。悪さなんかちょびっとしかしなかったのに。何であんなにイライラしてたのかなぁ」

私としては、彼女が気持ちに余裕を感じているのなら、これ以上のことはない。それに母親の精神状態は子供に大きな影響を与える。何より家庭内が平和だ(^^;

とはいえ、妻が職場復帰したりすればまた仕事上のストレスも発生するだろうから、よく話をしておかなければいけないだろう。

・・・

妻が「申し訳なかった」というお姉ちゃんだが、昨日電話がかかってきた。

「蜜柑、送ってくれてありがとう」

「いえいえ。早めに食べてね。体調はどうですか?」

「うん、元気。でね、今度のアルバイトが○ッツ・○ールトンていうホテルになったんだけど」

「そりゃまた高級な」

「やっぱそうなんだ~。面接で行ったけど、何かそういう(高級な)雰囲気」

「(まさか○ッツ・○ールトン知らなかったのか?)・・・だろうね・・・」

「で、○FJ銀行に口座を作れって言われた」

「パスポートがあるでしょ。それ持って・・・(PCで支店を検索)・・・四○烏○支店に行くことだね」

「やっぱ行かなきゃダメかぁ」

「そりゃあね。平日で授業が休みの日に、朝イチに行けば窓口混んでないと思うよ」

「はぁい」

「で、勉強の方は大丈夫?」

「ん~~~、大変デス(笑」

「まあそっちが主体なんで頑張ってくださいとしか言えません」

「はぁ~い」

日曜日に蜜柑を1箱宅配便で送っていたのだが、どうやら娘は中身より故郷から荷物が届くということ自体が好きらしい。妻は申し訳なかったというが、それなりに大学生になって一人暮らしして、アルバイトもしてる。よく育てたほうだろう。



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2015年2月3日火曜日

生後643日目 乳幼児突然死症候群(SIDS)

最近15年以内に子育てをした事がある方ならば、乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)という言葉を聞いたことがあるだろう。字のとおり、それまで元気だった乳幼児が突然死亡するケースである。ほとんどの場合1歳未満で起きるが、稀には1歳を過ぎても起きることがある。

原因は分かっていない・・・というより、原因不明の乳幼児の突然死をSIDSと呼ぶのである。

統計的な調査で、うつぶせ寝、両親いずれか(または両方)の喫煙がある場合にはSIDSの発生頻度が高いことがわかっている。

乳幼児突然死症候群(SIDS)について|厚生労働省

上記のページでは「(3)できるだけ母乳で育てましょう」ともあるが、母乳がじゅうぶん出ないとか、お母さんが服薬の必要があるといった事情があることも多い。人工乳がSIDSの原因だということではないのだし、うつぶせ寝や喫煙のリスクと同列に語るべきではないだろう。

私の息子は今日で1歳9箇月になるが、1年くらい前まではSIDSが心配だったことは事実である。

口唇口蓋裂の影響で生まれた直後から入院扱いだった息子には、他の子よりも長くモニターが付けられていた。心拍やSpO2に異常があれば警告音が発せられるので、その点では安心だった。退院後に家庭でも使えるような製品がないか調べたが、その時には見つけることができなかった。

昨日、10年くらいのお付き合いになる方の知り合いの娘さんが、生後わずか1箇月でSIDSで亡くなったということを知った。授乳後お子さんが眠り、ほんの少し家事をしている間に呼吸が停まっていたということらしい。ご両親のご心痛は計り知れない。冥福をお祈りするばかりである。

日本では、年間約150人の赤ちゃんがSIDSにより亡くなっている。この数字の外に、幸い生命を取り留めたケースもあるだろうし、SIDSが心配で神経をすり減らしている親御さんはもっと多いだろう。

原因を知って予防することができないのならば、やはり心拍や呼吸の異常を即時に知ることが重要である。迅速な対処で回復する可能性がかなりあるからだ。あらためて調べてみたところ、以下のサイトのベビーモニターが目に留まった。

Sproutling Baby Monitor

日本語の紹介記事へのリンクも載せておこう。

赤ちゃんが何分後に起きるか予測するウェアラブルモニター Sproutling Baby Monitor、予約受付開始 - Engadget Japanese

【忙しいママたちの救世主登場?】赤ちゃんの体温・心拍数・起きてるか寝てるかを知らせてくれるベビーモニターがスンゴイ!! | Pouch[ポーチ]

公式サイトでは残念ながら初回分は売り切れである。「JOIN WAITLIST」のリンクから、購入可能になった場合に通知を受けるように設定することができる。おそらくこの待ちリストの登録状況も勘案して製造計画を立てるだろうから、多くの人が登録すればそれだけ早く次回分が製造される可能性がある。なので自分のメールアドレスを使って登録した。

無線を使っているので日本で使用する場合は技適の問題があり、個人輸入して使用すると最悪の場合電波法違反で摘発される可能性が・・・ゼロとはいえない。どこか日本の大手企業(ピジョンとか)が技適申請含めて代理店業務を行い、このような製品が手軽に使えるようになってほしいと思う。

・・・

昨晩の息子は、日中にほとんど眠っていなかったせいか、私が帰った頃には意識朦朧。強引に風呂に入れて眠った。体重は計れていない。



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2015年2月2日月曜日

生後642日目 「土日が楽しい」ということは・・・

「土日が楽しいわ」

先週の金曜の夜ぐらいに妻が言ったことだ。特別に遊びに行ったりしているわけではなく、ホームセンターやリサイクルショップへ出かけ、その途中でお腹が空いたら「すき家」とかで食事をとっているだけだ。できればこの時期は牡蠣を食べに行ったりしてみたいものだが、何かと用事が多くて実現できずにいる。

また、土日が楽しいということは、裏を返せば平日は息子の面倒を一人で見ていて大変だということだ。1秒でも目を離すと何をやらかすかわからないので疲れると思う。

昨日もカーテンを注文しにホームセンターへ行き、お約束どおり3輪車の玩具に乗せる妻。だが、まだ買わない。リサイクルショップにあるだろうし(笑、外で遊ぶ玩具はもう少し暖かくなってから、だ。

ちなみに息子の前髪は妻が適当にハサミで切った、所謂「ぱっつん前髪 」だが、余計に女の子っぽくなってしまった気がする。

ホームセンターではカーテンの他に「モーターレンチ」を購入。モンキーレンチのようなものだが、違いは可変になっている「アゴ」の移動方向が柄と平行になっていて大口径に対応できる点だ。分岐水栓の取り付け時に使おうと思っているので、アゴがアルミ製(軟かいため対象物に傷がつきにくい)のものにしてみた。水道工事関係では、よく使われている工具らしい。

私は自動車が趣味だったり、一時期実家の仕事(畜産)をしていたこともあって、こうした工具を買うのが結構好きである。妻もそれは知っていて、いつだったかの誕生日のプレゼントがインパクトドライバーだったことがある。あの時は、サプライズで買おうと思ったらしいがどれを買えばいいか分からず、ホームセンターから電話をかけて来た(笑

・・・

さて、息子。昨日の夜はテレビ台の角で後頭部を、引戸のフチで額を痛打し、それぞれ10分ほど泣く羽目になった。後頭部は指で触るとミミズ腫れのように感じられ・・・ほんの少し心配になったが、まあいつものことなので放置。今朝は何ともなさそう。
基本的に甘えん坊な息子は、最近まで「まぐまぐ」で飲むのも私達が手伝ってやっていたのだが、やっとこさ自分で持って飲むようになった。 「ものもらい」用の点眼薬はクラビット(抗菌剤)とフルメトロン(抗炎症ステロイド剤)を併用中。



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