学生であり、片道が100kmを十分超える距離なので、学割証(学校学生生徒旅客運賃割引証) を取得してJRの乗車券を2割引きにするのが良いだろうという結論になった。その上で、新幹線の特急券を買う。他に高速バスという方法もあるが、すぐにまた京都に帰るのに乗車時間が長すぎるので今回は却下とした。
その結論を伝えようと娘に電話をしかけたとき、フォローアップミルクを息子に飲ませようとしていた妻が行った。
「ホッツ、入れてもすぐ吐き出しちゃうよ~」矯正歯科のDr.からは、上顎や口蓋裂の状態から言って、もうホッツ床をする必要はないとのことだったが、本人がミルクを飲むときだけ必要としていた。ホッツ床を入れたのは生後半月ほどで、そこから口唇裂手術の僅かな期間を除き、ずっと装着してきて、それを嫌がるということは無かった。
試しに私が3~4回ほど入れてみたが、ペロッと出して落としてしまう。
「ん~、じゃあホッツなしで飲ませてみましょう」
「えっ、できるかなぁ~」
「口唇裂手術の時はそれで飲めたんだし」というわけで妻が試してみたところ、特に何の問題もなくクリア。飲むスピードも変わらなかった。
「てことは、卒業ですか!? ついにこの時が来たのね」
「あと数回ホッツなしで飲めたら、要らないってことだろうね」ホッツ床が不要となれば、矯正歯科に連絡して次回の予約を取り消すことになる。それはともかく、最初に造って頂いてから1年と1箇月。このホッツ床のおかげで哺乳ができ、大袈裟に言えば生命を繋ぐものであった。
ホッツ床の卒業は、そうしたことが思い出されて感慨深い。妻も同様だ。今朝も尾崎豊の「卒業」を替え歌にして、
と歌っていた。何というか、独特の昭和的センス。。。「ホッツなしで ミルクなんて 飲めやしなかった~♪ ホッツからのぉ、卒業~♪」
ホッツ床
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