出生前診断で18トリソミーと診断され、1828gで生まれた”心遥(こはる)”ちゃんの誕生日は平成25年5月21日。予定日より10日遅かったということだから、予定日としては息子とほとんど同じ日だったことになる。
松永正訓医師が書かれた、「運命の子 トリソミー」にも、18トリソミーの子が「短命」であることが書かれていた。致死的遺伝子異常として、多くの場合は積極的治療が行われない。生まれたお子さんの状態、両親の意向、医師の判断など、様々な要因によって、18トリソミーの子の治療方針は決定される。
心遥ちゃんの場合、積極的な治療ではなく、親子3人が短くとも濃密で幸せな時間を過ごすことを最重点にすることが決定された。御両親、医療関係者の方々の間でも葛藤があったことだろう。
方針はそう決まっていても、心遥ちゃんの容体が急変した時、お母さんの心は揺れ動いた。「なんとか助けて」と医師に泣いて懇願したことも無理からぬことだ。医師は本人にとって辛い治療をしてずっと眠らせておくのではなく、少しでも長く家族が幸せな時間を持つ方法を提案し、家族とともに実行していく。そして・・・
「家族3人で初めて川の字で眠った日の朝、私たちの間で気持ち良さそうにすやすやと眠っていた心遥は、安らかに天使になりました。6日間の生涯でした。」


