2014年8月2日土曜日

生後457日目 転倒して前歯が折れた

まず最初に反省しなければならない。結果的に息子の下の前歯・・・3本しか生えていなかったが、そのうちの2本が折れてしまい、抜歯せざるをえなかったからだ。乳歯とはいえ、永久歯が生えてくるまでの4~5年間、その部分は歯抜け状態になる。咀嚼や構音にどのくらい影響があるのかも、これからの話だ。

昨日の16時頃、私は他の事業部の案件の手助けを頼まれ、対策会議に出ていた。約100万件の売上データの集計に時間がかかりすぎているというものだった。何しろ、現在の見積では集計が終わるまでに2週間かかるという。集計の遅さの原因はNoSQLデータベースの知識のないエンジニアが、旧来のRDBに対するバッチ処理的な考え方で集計を行っていたことだった。私は100万件のダミーデータを作り、MapReduceの仕組みを用いて集計を行う方式を提案し、2分ほどでスクリプトを作成。実行すると僅か7.7秒で結果が得られた。そして、本番データで集計スクリプトを動かそうとしていた時、内線が鳴った。
(御家族の方からお電話です)
会社に電話をかけてくるのは妻しかいない。そして緊急時だけだ。
(転んで、前歯が折れちゃった・・・)
「えっ!?。今どこ?歯医者には連絡した?」
(親戚の家・・・。(いつもかかっている)矯正歯科には電話したんだけど、先生が学会でお休みなの。それで、連絡取って折り返し指示をくださることになってるの)
その後伝えられた矯正歯科のDr.の指示は、口唇口蓋裂の治療でかかっている医大附属病院の口腔外科を受診することだった。私の会社からは、電車を使って病院まで約40分。妻と息子がいる場所からは、夕方で混んでいるので少し高速を使っても約1時間かかるだろう。

定時まであと45分ほどだったが、事情を責任者に話してすぐに退社することにした。集計の担当者には悪いが、これ以上は手伝えない。何なら土日で何とかしようと言い残して会社を出た。その40分後、私は医大附属病院の救急外来に到着。15分ほどして、妻が息子を連れて辿り着いた。

息子は口の周りが血で汚れていて、その口も半開きになっていて折れた歯が見えていた。だが、不思議なことに機嫌はそれほど悪くない。私が抱っこしようとチャイルドシートのベルトを外したが、妻に「スーツが血で汚れるから・・・」と止められた。その妻のポロシャツは血まみれだったが、それより私が心を傷めたのは、妻の泣き腫らした顔だった。自分を責めているのだろう。

救急外来の受付で事情を説明すると、しばらくして当直のDr.が診察をしてくださった。しかし、口腔どころか外科ですらない、眼科の若いDr.だった。それでもDr.は一生懸命全身の状態を確認してくださり、形成外科や口腔外科のDr.に連絡をとってくださった。時刻は19時前で、さすがに今日の処置は無理かと思われたが、口腔外科のベテランDr.が駆けつけてくださり、処置をしていただけることになった。

・・・

専用のベルト付きボードで抑制した息子を、救急の看護師さん.がさらに押さえつけ、口腔外科のDr.が処置を行った。局所麻酔のあと、一応、折れた歯を戻してみて、戻ればそのまま。無理なら抜歯という説明を手短に受けた。歯は根本から折れていて、飲み込むと危険なのでやはり抜歯します、というDr.に同意して抜いて頂いた。

処置のあいだ、息子は激しく泣き叫んだ。そして泣きながら時折、助けを求めるように私達を見る。妻は見ていられず、私の影に隠れて、手を握って、顔を伏せて涙ぐんでいた。私は、息子が頑張っているのを見届けることが父親の役目と思い、処置をじっと見ていた。

口腔外科のDr.がいちばん苦労しておられたのは止血のための縫合。泣き叫んで動く下顎を縫うのだから大変だ。助手に入った眼科の若いDr.は、口腔外科のDr.に「そのライト(の角度)じゃ見えないよ」「(器具を持つ時はグローブを)替えて。常識だよ常識」と、何回か怒られていた。普段は眼科だから、外科処置の助手なんかしていないだろう。私達のせいで怒られて申し訳ない・・・。

縫合した糸は吸収されるもので、抜糸の必要はないと説明を受け、念のため来週水曜日に口腔外科を受診する予約を取っていただいた。口腔外科のDr.はスタッフには厳しかったが、息子の怪我について妻を責めるようなことはなく、とても紳士的に対応してくださった。

・・・

帰宅して1時間。飲食を止められていた時間が過ぎ、ヨーグルトを与えてみると、息子は続けざまに3個を平らげた。とりあえず飲食はできるようだ。3個目のヨーグルトには抗生物質(メイアクト)と頓服の痛み止め(カロナールシロップ)を混ぜたが、そんなことはお構いなし。口直しのスポーツドリンクもコップ一杯分飲み干した。

息子はその後、お腹がいっぱいになったら寝るかと思ったが、逆に元気になって普段どおり動きまわり始めた。とても歯を2本折った直後とは思えない。子供のパワー、恐るべし。。。とはいえ、温めると痛みが増すかも、と考えて昨晩のお風呂はパス。

落ち着いたところで、息子が転んだ親戚の家に妻から電話をかけさせた。
「なるべく軽い調子で電話してね。おばちゃんが気に病むといけないから」
この頃には、凹んでいた妻も少し元気が出てきていた。

平日の日中に子供が怪我をしたような場合、「ちゃんと見とけよ!」とか言って奥さんを叱ってしまうような旦那さんもあると思う。しかし、それにはマイナスの効果しかない。お母さんはお子さんを精一杯見守っているけれど、100%完璧に保護するのは難しい。歩き始めた子供の行動は予測できないことが多いし、あまり行動を制限すれば発達に影響がでる。その難しいバランスの中で神経を擦り減らしながらお母さんは頑張っている。子供が怪我をした時にいちばん後悔して自分を責めているのはお母さんだ。そのお母さんに追い討ちをかけるように叱責すればさらに元気がなくなって、子供にまで影響してしまうだろう。

父親の役目としては、もう一度同じようなことが起きないように、実現可能な対策を考えて実行することだ。息子の今回の場合で言うなら、要は足腰が安定していて転ばなければいい。頭が大きく重い息子なので転びやすいのは分かっていたから、しっかり足腰を鍛えさせるべきなのだ。それに、転倒に限らず、どういう状況が危険なのかも少しずつ息子に理解させていかなければならない。

こういう時こそ父親の出番だ。



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2014年8月1日金曜日

生後456日目 長距離歩くようになる

佐世保の女子高校生殺人事件では、加害者の生徒を診察した精神科医が保健施設に「人を殺しかねない」という相談をしていたことが明らかになっている。相談は6月10日、相談の時点では匿名ではあったものの、踏み込んだ対応が可能であったならば事件を未然に防ぐことができたかもしれないと考えると、残念でならない。

NHKのニュースによれば、取調べに対して、父親の再婚相手に対して特別に悪い感情は持っていなかったと供述しているらしい。被害生徒との関係も「仲良し」だったらしい。つまり、通常考えられる憎しみや恨み、ストレスなどからの犯行ではなく、自分の嗜好や欲求を実現したいために他人の生命を奪うという、典型的なサイコパスの犯罪と見ることができる。

こうした人間の人格を家庭環境や教育で矯正することはかなり難しい。なので、両親や教育現場に全責任を求めることには無理があるだろう。犯罪の防止には、冒頭に紹介したような機会を捉え、場合によっては隔離施設の利用も検討する必要があるだろう。

・・・

帰宅時間がさらに遅くなった昨日。家まで徒歩4分なのに、妻は息子を連れて、車で駅まで私を迎えに来てくれた。車内から私の姿が見えると、息子は声を出しながらチャイルドシート上で手を振ったそうだ。他の人と区別がついているらしいことに、妻はちょっと驚いていた。
食後、お風呂までの時間に遊んでいたのだが、ハイハイが少なくなり歩く距離が長くなっていることに気がついた。ベビーサークルの周りをひたすらグルグル、かなりのスピードで歩いているため、後頭部などは汗まみれ。息子は少し運動するとやたら後頭部が熱くなる。

お風呂での体重はちょっと減って10.9kg。大量に飲み食いしているが、それと同等の運動・代謝と発汗なのだろう。



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2014年7月31日木曜日

生後455日目 起きている息子に会ってない・・・

昨日は息子が起きる前に仕事に出かけ、帰宅はいつもより1時間半ほど遅くなってしまい、その時には息子は「父ちゃんを待ちきれずに」眠ってしまっていたので、起きている息子の世話をすることはほとんどできなかった(写真も撮れていない)。お風呂も寝たままの状態で入れたくらいで、それも身体を洗っている間は目を覚まさず、湯船から出ようとした時に少し目が開いた程度だった。

・・・なので、写真は一昨日のものだ。今朝もまた起きる前に家を出てきた。

妻によれば日中は大暴れだったようで、中でも「お手々がウンチまみれ事件」が衝撃的だったそう。息子は右のお尻を掻く癖があるのだが、ちょうどウンチの時にお尻を掻いて、手が大変な状態になったそうだ。またその手を顔に持っていくものだから、妻も若干パニック。

とまあ、至って平和(?)な日常である。

一年前の記事を見ると、 息子の体重は6.7kgだったようだ。1年間で4.4kgの増加。入院や手術があって何回か減少もしているが、それを無視すると1日あたり12g。その僅かな差の積み重ねが成長なのだなぁと思う。

そうそう、今日は会社に第4世代iPadが届く(Airではない)。私は個人的にはAndroid派だが、作成しているWEBシステムのテストではiPad実機での確認が必要になるからだ。Amazonで買うとAppleストアより700円くらい安くなるようだったが、そのくらいだと公式ストアで買わない理由にならず、素直にAppleストアで購入した。もうしばらくすると(例によって10月頃?)新型が出るのかもしれないが、テスト機という意味では第4世代くらいがちょうどいい。個人的にはSurface Pro 3のほうが興味あったりする。



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2014年7月30日水曜日

生後454日目 人工内耳のリハビリ

今朝の出勤直前、妻にNHKのニュース内のレポートを「見て」と促された。愛媛県松山市にある、人工内耳を装着した子供たちのリハビリ施設についての報告だった。

人工内耳とは、頭部またはその周辺に装着したマイクの電気信号を蝸牛の神経に直接伝える装置で、埋込手術が必要だ。レポートでは、生後すぐに重度難聴と診断されて人工内耳の埋め込み手術を受けたお子さんがリハビリを受ける様子を映し出していた。

私が受けた印象は、大きめの補聴器に加えて、かなり大きめのマイクがかなり目立つということ。装着しているお子さんが小さいのでそのように見えるのかもしれないが、レポート内でもある程度外見を気にするような年齢になると、人工内耳を嫌がって外し、手話でコミュニケーションを取るという選択をする人もいると報告されていた。

人工内耳で聞こえる音を再現した音声を聞いたが、 質の悪いトランシーバーから聞こえるような音だった。静かな環境であれば聞き取れるだろうが、周囲が騒がしい環境ではかなり難しそうだ。したがって、リハビリでは人工内耳での聞き取り、その音を聞いた上での発声、手話の練習を並行して行うことになるそうだ。

妻のママ友にも、口唇口蓋裂と片耳難聴のお子さんをもつ方がおられる。

ラベル:難聴

そういうこともあって、妻としても気になっているのだろう。

人工内耳のリハビリ施設の一覧を調べると、人口が多めの県で1~2施設、人口の少ない県にはない、という感じだった。

人工内耳の地域別病院情報

口唇口蓋裂の構音障害のリハビリも時間が掛かると思われるが、人工内耳のリハビリも長期間に渡ると思われる。その期間は頻繁に通う必要があるので、遠隔地の場合はかなりの負担になると思われる。

・・・
昨日の息子は、海岸沿いの親戚の家に遊びに行った。高齢の伯母(妻から見て)がおり、ウェルニッケ脳症を患い、元々マシンガントークする伯母さんだったのが普通の喋りになったらしいが、息子と遊ぶのはちょうどいい刺激になったようだ。



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