2014年7月14日月曜日

生後438日目 口唇裂術後の授乳

サービス付高齢者向け住宅に入居している伯母の、「気兼ねなく弟妹に連絡を取りたい」というリクエストを受け、現在携帯電話の契約を検討している。 85歳だし軽度の認知症なので、スマートフォンのタッチ操作は難しいのではないかと思われる。私の家族、および妻の家族は全員auに契約しており、巨大な 家族割グループを形成しているので、契約するならauだろう。しかしauのオンラインショップで見るところ、京セラの「簡単ケータイ」でもかなりの金額 だ。契約者を誰にするかも含め、いろいろ考えている。

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さて、息子は既にホッツ床を自ら卒業し、フォローアップミルクを飲む回数も減ってきた。その代わりに、ヨーグルトとパン、味噌汁かけご飯などを大量に食べる毎日だ。特にヨーグルトは1日に6個とか7個とか食べており、妻の言う「暴飲暴食」も大袈裟ではないように思える。

なのだが、数少なくなってきたフォローアップミルクの授乳では、いまだに「細口」で飲んでいる。口唇裂の手術後、傷痕の保護の必要が無くなった頃から、「普通の乳首にして上顎の筋肉を鍛えましょう」といった指導を受けていたし、他のお子さんの親御さんにも、そうした指導を受けたという話を聞いていたので、何回かトライしたことはある。

だ が、術前にあれほど嫌がっていた細口なのに、術後にそれに慣れてしまうと、普通の乳首どころか、術前にそれでしか飲まなかったP型すら、思いっきり拒否。 1日に1度、私が帰宅した時に練習していたのだが、全く成果はなかった。そしていつの間にか諦めてしまい、細口のまま今に至る。

形成外科ではそういった指導をうけてはいたが、矯正歯科で診てもらうと特にそういうことは言われず、「上顎の状態は良いのでホッツ卒業OK」とお墨付きを頂いたりした。

考 えてみれば、術後の哺乳における乳首だけで構音障害が出るか出ないか決まるわけでもない。離乳食を食べる時のお口のモグモグでも、口内の筋肉は鍛えられる はずだ。通常乳首の練習をして、それを素直に受け入れられるお子さんなら何の問題もない。しかし、そうでないお子さんも沢山いるのだ。

医療側としては、「普通乳首にして吸う力や顎を動かす筋肉を鍛えれば、構音障害の確率を減らせる」という思いがあるのだろう。それは正しい。だが所詮、それは当事者でなく、24時間ケアをしなくてはならない親でもない他人の意見であり、ただの「理論」だ。

口 唇口蓋裂のお子さんを出産されたお母さんは、医師からそうした指導を受ければ、何とか実践しようと必死になる。市販されているあらゆる乳首を買い求めては 試行錯誤を繰り返す。だが、それでも、どうしても飲めないお子さんは居るものだ。授乳の度にお子さんを泣かせてしまって親子共にストレスが溜まり、「私が ちゃんと産んであげられなかったから・・・」と自分を責めてしまうお母さんが多い。けれど、それは誰のせいでもない。

術 後の哺乳の指導をされる医師や看護師・言語聴覚士さんには、指導において少しの心遣いをお願いしたい。例えば、「できれば普通の乳首にしたら筋肉が鍛えら れていいんだけど、もしあまり嫌がるようだったら、1日1回くらい練習するくらいの感じでやってみてね」とか。それだけで、お母さんの気持がずいぶん軽く なるはずだ。
帽子を自分でかぶろうとする息子。頭にかぶるものだということは分かっているらしい。


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2014年7月13日日曜日

生後437日目 子育て支援、児童養護施設で暮らす子、そして伯母のこと

昨日は土曜日で私が休みだったので、市の子育て支援事業「親子クラブ」に私も参加した。車で30分の所だが、細かい場所が私にはわからないので、妻が車を運転。私と息子は後部座席。息子は、サングラスをした妻が振り返っても母親と認識しているのかどうか微妙な感じ。どちらかと言えば怖がっていたかもしれない。

開放されている部屋は広く、土曜日のせいか他のお子さんはおられなかった。対応してくださった職員さんを加え、大人3人で息子1人を見守るという状態だ。階段マットや滑り台、様々な玩具を使って広い空間で遊べ、そして怒られない(^^; ので、息子は楽しそうだ。

職員さんとは、色々な話をさせて頂いた。この時期までの手術やケアの苦労。形成やリハビリやST(言語聴覚士)の先生にどんな指導をされるのか、など。口唇口蓋裂のお子さんを持ったお母さんの中には、指導での言葉を深刻に受け止めすぎてしんどい思いをされている方もおられること。

口唇裂の傷痕を見て、何気なく「すごく綺麗になったわね」と言われるだけで心が重くなるということも、当事者の親でなければおそらく分からない。「他にも色々と(構音、歯列矯正、言語発達、遺伝、結婚・・・)しんどいのよ」と、口には出さないが、その思いは心の底に少しずつ積み重なっていく。そういった受け取り方も人それぞれではあるけれど。

私もそうしたお話を保育士の方などとお話することで、ある程度自分の心の中の重みを消化しているのかもしれない。このブログもそうなのかもしれない。

1時間半ほど経過して息子がぐずり始めたので、帰らせていただくことにした。こうした育児支援の場が提供されているということは、実際に行ってみて重要な事だと感じた。

息子は車内ですぐに眠りはじめ、帰宅してもしばらく眠っていた。

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起きて昼食のあと、いつもの週末のように実家へ。その行き道で友人の所に寄って、夏休み中に隣の市で開催されているサーカスのチケットを渡す。妻の実家が仕事のお付き合いで購入したチケットだ。息子にサーカスはまだちょっと早いと思われるので、小学生の子供を持つ友人なら・・・と思って渡すことにした。

チケットが使えそうか友人に聞いてみると、自分の子供ではなく、児童養護施設に入所しているある男の子と行こうと思っているとのこと。その子には、1年以上前の友人宅でのバーベキューで私も会っていた。 友人の子供達は3人きょうだいだが、まるで4人きょうだいのように遊んでいた子がいた。その子のことらしい。

そういえばあの時、ネグレクトのような状態らしいと聞いた記憶がある。その後すぐ、その子は児童養護施設に入ることになった。同じ地区に親が居て家があるというのに、児童養護施設から通わなくてはならない小学生。いったいどんな気持ちなのか、想像するだけで胸が痛む。私も、友人のように何かできることをしなくては。。。

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実家へ行って1時間ほどして帰り、自宅で休んでいると、携帯電話に実家から着信した。何か忘れ物でもしただろうか。

電話は母からで、内容は近くのサービス付高齢者向け住宅に入居している伯母のこと。伯母は昨年、足の甲にできた有棘細胞癌の手術と放射線治療を受けた。その治療の時、主治医から「あと2年」と言われていた、ということを、母は私に伝えたかったらしい。今までいろいろ考えたが、最終的に私には伝えておこうと思ったそうだ。

「そう・・・。わかりました」と低い声のトーンでやりとりしていた私の様子を心配して、電話が終わった後に妻が「大丈夫? たいへんなこと?」と訊いてきた。その時は反射的に「ん? いや、大丈夫だよ」と答えたが、いずれ妻にも話しておかなければいけないだろう。

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今日は雨模様だが、伯母の所に息子を連れて行ってみよう。



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2014年7月11日金曜日

生後435日目 哺乳の工夫(ピジョンP型・逆止弁なし)

ベネッセの個人情報流出は、最大で2000万件超という報道がされている。1件あたり少なくとも親1人、子供1人とすれば、4000万人分の個人情報が漏れた可能性があり、国民の3人に1人である。過去に何らかの商品を契約したことがあれば、ほぼ個人情報が流出していると考えたほうがいいだろう。

ベネッセの原田泳幸会長兼社長は、アップルコンピュータ、日本マクドナルドの取締役をつとめ、現在でもソニーの社外取締役である。会長兼社長には今年就任したばかりであり、情報流出の時期が昨年末と推定されているから、その意味では直接の責任は無いといえる。ただ、犯人を「グループ会社社員以外で、データベースの高度な権限を持つ内部者と推定」と発表したタイミングが早すぎたのではないか。これを逆に読めば、「そのような重要な権限を社外の者に与え、かつ情報へのアクセスを許していたのか」ということになるからだ。こういう時は、「全力で警察の操作に協力しております」とだけ言えばいい。まあ、私は門外漢なのだが、情報セキュリティに携わる者としては少し黙っていられない部分だ。

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さて、息子は時々フォローアップミルクを飲むだけで、別に卒業しても良い状態になっているのだが、生後数か月で口唇裂手術前の赤ちゃんでは、哺乳が一番の問題となる。口唇口蓋裂用哺乳瓶にはピジョンP型、NUK、メデラ・スペシャルニーズフィダーなどがあるが、安価で手に入りやすいのがピジョンP型だ。私達はNUKやメデラを使ったことがないので、評価はできない。

そのピジョンP型は、上顎に当たる部分がやや平らになった乳首と、乳首の中に組み込まれた逆止弁、 柔らかい樹脂製の瓶で構成されている。口唇裂があると空気が漏れて口腔内を陰圧にするのが難しい。そこで、乳首を上下の顎で押しつぶすようにすると、逆止弁の効果で口の中にミルク(または母乳)が流れこむようになっている。乳首には小さな穴があり、こちらは乳首が元に戻る時に、空気が流れこむようになっている。

これは息子の1年前の写真。瓶は外出用に小さなものに変えているが、乳首はピジョンP型だ。息子はこれで調子よく、ゴクゴク飲んでいた。

しかし、お子さんによっては、ミルクが出てくる量が飲み込める量をオーバーしてしまい、泣きだして飲むのをやめてしまったり、吐いてしまったりすることもあるようだ。Twitterなどでそうした声を何度か拝見したことがある。

こうした時には、乳首の中の逆止弁を外してみることをお勧めする。こうするとミルクが出てくる量がかなり少なくなり、お子さんが無理なく飲めるようになることがある。ミルクが少なすぎる時は、乳首の先端の切れ込みを、カッターなどで少し大きくすることも考えられる。流量がちょうど良くなれば、おしゃぶり感覚でず~っとチュッチュして、少しずつ飲んでくれる。

これは昨日の息子。ブラウン管テレビ用の台に液晶テレビを置いているため、格好の「お立ち台」と化しており、このように登ってはしゃぐのが通例となってしまっている。基本的に起きている間は暴れているので、最近はなかなか体重が増えなかったが、昨日の風呂では11.1kgになっていた。妻曰く、「日中は暴飲暴食」というくらい食べているらしい。まあ、欲しいだけ食べればよろしい。。。子供は丸々してたほうがいいだろう。


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2014年7月6日日曜日

生後430日目 ハートネットTV「シリーズ"施設"で育った私 第1回」

ショッピングセンターで娘の為の買物に付き合うというのは、ものすごい時間がかかる。しかも女性用水着売り場だったから、娘と妻が選んでいる間、私はベビーカーを押して他の売り場をウロウロするくらいしかできない。約1時間半、なかなかの苦行であった。。。
お昼すぎには息子がぐずり始めたこともあって帰宅。息子の寝かしつけに成功すると、妻と娘は別の場所に出かけた。私は息子を見ながらお留守番。録画していた、「ハートネットTV シリーズ"施設"で育った私 第1回」を見ることにした。第2回・第3回も録画している。

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36歳の「渡辺忍」さんが、所持金30円で支援団体に駆け込んだのは一昨年のことだった。渡辺さんの両親は、彼が小学校2年生の時に離婚。その後、彼と暮らしていた母親が行方不明となり、それから児童養護施設で育った。

「自分のやりたいことを見つけたい」
大学進学を決意し、アルバイトでコツコツ学費を貯め、第一志望の大学に進学。進学後は1日7時間のアルバイトと勉強を両立させるというハードな生活が続いた。大学2年のある日、彼はパチンコに手を出してしまう。生活費を少しでも増やしたいという思いからだった。

だが彼は、結局パチンコに依存してしまう。学費や生活費までつぎ込んでしまい、あっという間にホームレス生活になってしまった。
 「現実逃避みたいな感じです」
彼は最後の手段として自分が育った児童養護施設に連絡。現在の支援団体に繋いでもらった。

彼はパチンコ・・・ギャンブル依存症である。1日7000円の派遣の仕事で何とか家計をやりくりしながらも、今でもついついパチンコに足が向いてしまうのだ。

「自分の娘や息子に対してはどう接します? ・・・ここぞという時には最大限の愛情注ぐでしょ」
彼が支援団体代表の女性に言った言葉。無条件の愛情を・・・そして本気で向き合ってくれる大人との対話を得ることができなかった、今の彼の苦しさが滲み出ているような言葉だ。36歳の大人として、しっかり自立しなければならないという思いとは裏腹に、彼の中の「子供」がそれを遮ろうとする。彼が子供時代に抑えこんできた依存欲求は満たされないまま形を変えて、彼の心の中に棲み続けている。

早朝5時。彼は自分と向き合ってくれる人の存在を頼りに仕事に出かける。
「見放さないでいてくれた人に対して、裏切っちゃいけないなと」
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18歳で自立を求められる、児童養護施設で暮らす子供達。その現実を私達はもう少し知らなくてはならない。

シリーズ 「施設」で育った私 第1回 漂流する施設出身の若者たち



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