2014年4月15日火曜日

生後348日目 「運命の子 トリソミー」

松永正訓(まつなが ただし)さんは小児科医であり、「運命の子 トリソミー」の著者である。



松永さんのブログを拝見すると、とても沢山の本を読んでいらっしゃることが分かる。その中にはダウン症や脳死、胃ろうに関する本はもちろん、「コウノドリ」といったコミックもある。私も読みたくなるような本の紹介も多々あり、早速ブックマークさせて頂いた。

その松永さんの最新刊が本書「運命の子 トリソミー」である。私はハフィントン・ポストの記事でその存在を知った。 ハフィントン・ポストについては記事のクオリティのバラつきが大きく、中には眉に唾をつけて読まなければならない記事もあるが、この記事についてはしっかりとした取材であるという印象を受けた。

本書の副題には「短命という定めの男の子を授かった家族の物語」とある。トリソミーには13、18、21トリソミーとあり、21トリソミーはいわゆるダウン症であり、医療技術の進歩もあって長く生きる方が多い。だが13、18トリソミーはダウン症とは決定的に異なり、複雑な奇形を伴い、生後1箇月で50%、1年で90%の子が亡くなってしまう。このため致死的遺伝子異常と言われる。しかし、この本の「朝陽」君のように、2歳を超えて生存している子もある。

私がこの本を読むにあたり他の読者の方と違う点があるとすれば、口唇口蓋裂の子供とその親御さんについて、より深く感情移入してしまうということだろう。13トリソミーの朝陽君にも口唇口蓋裂がある。しかし、御両親・・・特に父親は口唇裂の手術に積極的ではなく、手術を受けさせていない(嚥下できないので、手術は機能的な意味があまりない)。その朝陽くんを連れて外出し、人目に触れることも気にしない。しかし母親はそこまで割り切れていないようで、外出時には口唇裂に絆創膏を貼るし、外出する時も人目が気になってしまうと打ち明けている。

私には、御両親の気持ちが両方とも、少しずつ分かるような気がする。我が子を愛おしく、誇りに思う父親の気持ちも、我が子が指差されるようなことは耐えられないという母親の気持ちも。

様々な困難を乗り越え、今では同じ病気を持つ子の親御さんの相談にものっているという朝陽君の御両親。「朝陽は幸せ」「私達は幸せ」と胸を張って、1日1日を大切に生きておられる姿に胸を打たれつつ、読了となった。今は妻が少しずつ読んでいるようだ。
息子はつたい歩きを始めた。運動量が多くなって体重増加は緩やかになった。現在11.1kg。



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