2015年2月18日水曜日

生後658日目 小児病棟を脅かす感染症

少し前に予防接種と乳幼児の手術に関して記事を書いた。

生後639日目 1歳での手術と予防接種

予防接種のスケジュールと手術時期の兼ね合いで、どうしても予防接種ができずに大きなリスクにさらされる子供たちがいる、という内容だ。

多少内容が重複するが、小児病棟と水痘について良い記事を発見したので紹介しておこうと思う。

年10回の病棟閉鎖、小児病院を脅かす感染症とは:日経メディカル

 例えば、免疫能が正常の2歳男児が数日で退院できる予定の小手術で入院してきたとする。水痘ワクチンの接種歴は1回で、入院前の3週間で水痘の曝露歴はなし。こういった履歴が確認できれば、水痘の発症リスクは非常に小さいと考えられる。入院時のスクリーニングも問題なしで、一般病棟に入院となる。

 ところが、入院翌日に体幹に皮疹が発見され、水痘疑いで感染症科が呼ばれる。当センターでは院内でPCR検査ができるので、数時間で水痘の確定診断となる。こういった例は、入院時のスクリーニングでいくら丁寧に問診・視診を行っても、予測のしようがない。

  感染患児の入院がひとたび確認されると、非常事態である。発疹が現れる48時間前から感染性があるので、そこまでさかのぼって病棟内の曝露者を確認し、水 痘の免疫がない小児が曝露していたら、ワクチンを緊急接種する。ワクチンを接種できない小児にはアシクロビルを予防内服させ、重度免疫不全の小児には発症 しないことを祈りながら、院内で抗体価が一番高いγグロブリンを投与する。

重度免疫不全の子供たちには、水痘の発症は致命的なリスクである。また、高度なPICUなど代替の効かない医療を行っている施設が水痘のために閉鎖されることになれば、その影響はそのまま子供たちの生命に関わってくる。上記の記事ではこのための対策として、以下のように述べている。

 ワクチンによる感染症予防には、集団免疫(Herd Immunity)とコクーン戦略Cocoon Strategy)という考え方がある。集団免疫とは、集団の予防接種率はある程度のところまでいくと、流行そのものを減らすことができるという考え方だ。そしてコクーンとは、蚕のマユのこと。ワクチンで予防できる疾患(VPDs)なのに、重症疾患などでワクチンを接種することのできない小児がいる。その小児を守るには、周りにワクチン接種を勧める、つまりマユをつくることでVPDsの感染から守ってあげるという戦略である。

予防接種が必要なのは水痘に限らない。社会の一員である以上、可能な限り予防接種を受け、マユとなって予防接種できない子供たちを守る責任がある。

・・・

昨晩も食後に100均ショップに出かけ、妻は台所用品、息子には玩具を買った。

いつも思うのだが、流通経費含めてこうした玩具を100円で販売できるというのはどういうことなのだろうか。途上国で、おそろしく安い賃金で働いている人がいるおかげだろうが・・・




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